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人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀の2%インフレ目標は先延ばしより「見直し」を

2017年07月15日 22時54分10秒 | 就活
日銀の2%インフレ目標は先延ばしより「見直し」を
 日銀のインフレ目標2%を前提とした異次元金融緩和への固執については、適当なところで見直した方がいいのではないですかと何回も書いてきました。

 2%はアメリカのインフレ目標と一緒ですが、現状の世界経済、国内経済の状況から見て、また、アメリカと日本のインフレに関する国民の意識から見ても、あまり合理性はありません。アメリカが2%なら、日本は1%というのが妥当なところでしょうか(「 白川総裁のクリーンヒット」参照)。

 確かに異次元金融緩和という「サプライズによる円安誘導」には当初は効果があったものの、次第に効果は薄れ、マイナス金利導入時点では効果は3日しかありませんでした。
 これ以上の円安を政策として目指すのは、日本としたやりずぎとの批判も出るでしょう。

 同時に、日銀が国債やETFを大量に買い上げることが金融市場や株式市況にも歪みをもたらすという指摘も多くなってきました。
 円高阻止という政策目標のために、当面到達の可能性の無いインフレ目標を掲げ、金融市場を歪める意味はとうに消えているようです。

 もともとインフレは低い方がいいのです。勿論デフレ回避は至上命題でしょうが、インフレは2%より1%の方が、国民にとって良いことは明らかです。特に、金利より物価の方が先に上がるようなことになれば、国民生活にマイナスです。

 もしそれで消費を刺激しようというのであれば、それは王道とは言えません。金利の正常化を進める中で、国民の消費性向が上がるような、健全な経済政策が望まれるところでしょう。
 
 物価は金融政策でどうになるものではありません。1980年代後半以来、日本では、貨幣数量説はあまり働いていません。それが働くとすれば、資産(土地など)バブルを起こすぐらいで、そのバブルも早晩つぶれるのです。

 日銀が政策変更するなら、2%を先延ばしするのではなく、当面1%を目標と切り替えるべきではないでしょうか。2%がスイスイ達成されるようになる時は、国際経済環境も、国内の意識も変わって、今度はいかにインフレを抑えるかが問題になる時期でしょう。

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